「ドコモ光は遅い」という口コミを見かけると、夜に動画が止まったりオンライン会議が途切れたりしないか気になります。
ドコモ光の最大通信速度は「ドコモ光 1ギガ」で最大1Gbps、「ドコモ光 10ギガ」で最大10Gbpsです。
ただし、光回線はベストエフォート型サービスのため、最大速度は技術規格上の理論値であり、自宅で実際に出る速度は利用環境や機器、回線の混雑状況によって変わります。
実際の利用者が測定した直近3カ月の平均速度を見ると、下り571.27Mbpsが出ており、ドコモ光は動画視聴やテレワークで困るほど遅い回線ではありません。
一方で、プロバイダや接続方式、自宅のWi-Fi環境によって速度の差が大きいため、遅いと感じたときは原因を順番に特定していくのが近道です。
最新の測定データやプロバイダ別の違い、速度が出ないときに試したい手順を詳しく見ていきましょう。
ドコモ光の実測データ|平均は下り570Mbps台
速度測定サイト「みんなのネット回線速度」に、直近3カ月で投稿されたドコモ光の測定結果の平均は次のとおりです。
集計 | 下りの平均 | Ping値 |
|---|---|---|
全体 | 571.27 | 21.36 |
夜 | 521.71 | 22.79 |
深夜 | 826.92 | 19.07 |
IPoE接続 | 644.43 | 19.91 |
PPPoE接続 | 279.38 | 27.56 |
有線接続 | 868.05 | 20.57 |
Wi-Fi接続 | 398.41 | 21.91 |
戸建て住宅 | 542.24 | 22.07 |
集合住宅 | 622.03 | 20.15 |
ドコモ光の平均速度(直近3カ月・60,247件)
出典:みんなのネット回線速度のドコモ光の通信速度レポート
全体の上りの平均速度は456.1Mbpsで、同サイトの光回線速度ランキングでは72回線中42位と中間に位置しています。
利用者が集中する夜(20時〜22時59分)は深夜(0時〜4時59分)の826.92Mbpsより下がるものの、それでも下り平均521.71Mbpsを維持している状態です。
表の中で特に差が大きいのは、接続方式(IPoE・PPPoE)と、有線かWi-Fiかによる違いではないでしょうか?
PPPoE接続で測った下り平均(279.38Mbps)はIPoE接続(644.43Mbps)の半分以下、Wi-Fi接続の平均(398.41Mbps)も有線接続(868.05Mbps)の半分以下にとどまっています。
また、住宅の種類別では戸建て(542.24Mbps)より集合住宅(622.03Mbps)の平均が高くなっていますが、これは測定した人の契約プランや宅内環境が異なる投稿の集計です。
平均値の大小からマンションのほうが戸建てより速くつながると言えるわけではなく、集合住宅では後述する建物の配線方式によって上限が制限される点に注意が必要です。
動画視聴やビデオ会議に必要な速度の目安
普段のインターネット利用でどのくらいの速度があれば足りるのか、主要サービスの公式ヘルプが案内している推奨速度を整理しました。
- Netflixの動画視聴:高画質(HD・720p)で下り3Mbps以上、フルHD(1080p)で5Mbps以上、超高画質(UHD・4K)で15Mbps以上
- YouTubeの動画再生:HD 720pで持続的な速度2.5Mbps、HD 1080pで5Mbps、4K UHDで20Mbps
- Google Meetのビデオ会議:フルHD(1080p)の映像で送受信とも最大3.6Mbps(720pは最大1.7Mbps)、グループ会議で受信最大4.0Mbps・送信250Kbps以上
出典:Netflixヘルプセンター、YouTube ヘルプ、Google Workspace 管理者ヘルプ
4Kの高画質動画でも15〜20Mbps、ビデオ会議でも4Mbps前後があれば利用できるため、ドコモ光の平均速度が出ていれば日常の動画視聴や在宅ワークで困ることはまずありません。
ゲームの大型アップデートなど大容量のデータをダウンロードする場面では、下り速度が速いほど待ち時間の短縮につながるでしょう。
かんた
こうめオンラインの対戦ゲームでは、一度に運べるデータ量(Mbps)よりも、サーバーとの応答の速さを示すPing値(ms)やデータの取りこぼし(パケットロス)が快適さを左右します。
測定サイトのPing値は測定サーバーとの往復時間のため、実際のゲームサーバーで通信したときと同じ値になるとは限らない点に注意が必要です。
ゲーム中に動きのカクつきを感じるときは、ゲーム内の通信表示でPing値やパケットロスを確認してみてください。
プロバイダ別の速度差|平均速度の1位はOCN
同じ「みんなのネット回線速度」で、直近3カ月の測定件数が多いドコモ光のプロバイダ上位5社を並べると次のとおりです。
プロバイダ | 下りの平均 | Ping値 |
|---|---|---|
OCN | 680.34 | 23.14 |
GMO | 605.1 | 20.65 |
BIGLOBE | 545.02 | 18.53 |
@nifty | 423.24 | 17.73 |
plala | 423.21 | 22.83 |
ドコモ光のプロバイダ別の平均速度(直近3カ月・測定件数上位5社)
出典:みんなのネット回線速度のドコモ光のプロバイダ別平均速度
測定件数が多い5社の中でも、測定ユーザーが50名以上いるプロバイダ全体の速度ランキングでも、下りの平均速度1位はOCN(680.34Mbps)となっています。
50名以上の速度ランキングでは、2位がASAHIネット(675.87Mbps)、3位がGMOとくとくBB(605.1Mbps)の順です。
一方、応答の速さを示す平均Ping値を見ると、OCNは23.14msとなっており、@nifty(17.73ms)やBIGLOBE(18.53ms)、GMOとくとくBB(20.65ms)のほうが数値は小さくなっています。
ただし、これらは測定した人の住居や接続方式、1ギガ・10ギガのプランをそろえた比較ではなく、平均値が高いプロバイダへ変えれば必ず速くなるわけではない点に注意が必要です。
また、測定サイト上の「OCN」には、現行の「OCN インターネット(タイプA)」だけでなく、以前の「OCN(タイプB/旧OCN for ドコモ光)」の利用者が含まれている可能性があります。
表にある「plala」や旧「OCN(タイプB)」、かつて選べた「ドコモnet(下り平均588.1Mbps)」は2024年3月1日時点で新規受付を終了しており、現在は新規契約やプロバイダ変更の候補として選べない状態です。
プロバイダ変更で改善しやすいケースと注意点
現在のプロバイダで従来のPPPoE方式を使っていて夜間に遅くなるなら、IPoE方式に対応したプロバイダへの変更が有効な選択肢です。
乗り換え先の候補を比べるなら、OCN インターネットとGMOとくとくBBの比較も参考にしてください。
反対に、速度低下の原因が自宅のWi-Fi電波やLANケーブル、マンションの配線設備にある場合は、プロバイダを変更しても速くなりません。
自宅のWi-Fiが原因なのに契約先のプロバイダを替えるのは、メガネのくもりを拭かずにテレビを買い替えるようなものです。
プロバイダを変更して直したい場合は、あらかじめ次の費用や契約区分の違いも確認しておきましょう。
- 変更の事務手数料:同じタイプ内の変更や、タイプAとタイプBの間の変更には事務手数料3,300円がかかります(単独タイプからタイプA・Bへの変更は無料)
- タイプが変わると月額料金も変わる:1ギガ(2年定期契約)の月額料金は、タイプAが戸建て5,720円・マンション4,400円、タイプBが戸建て5,940円・マンション4,620円です。たとえばタイプAから、速度ランキング2位のASAHIネット(1ギガはタイプB)へ変えると、新プロバイダの利用開始日から月額料金もタイプBに切り替わります
- 切り替え時の制約と特典の対象外:10ギガではプロバイダ変更を伴う切り替えで数時間〜数日ネットが使えない場合があり、1ギガでOCN インターネットへ変える際も旧プロバイダのIPoE解約が終わるまではOCNのIPoEを使えません。また、OCN指定窓口の現金還元特典は契約後のプロバイダ変更では対象外です
プロバイダの区分による月額料金や対応事業者の違いは、ドコモ光のタイプAとタイプBの違いで詳しく整理しています。
ドコモ光の速度を左右する3つのポイント
接続方式とルーター|IPoEには対応機器が必要
従来のPPPoE方式では、夜など利用が集中する時間帯にNTTの網終端装置が混み合い、速度が落ちやすくなります。
IPoE(IPv4 over IPv6)は、その混雑しやすい装置を通らずに通信する接続方式です。
ドコモ公式プロバイダのOCN インターネットでは、1ギガ・10ギガとも追加料金や申し込み不要の標準機能としてIPoE(OCNバーチャルコネクト)が提供されています。
ただし、IPoEで通信するにはOCNバーチャルコネクトに対応したWi-Fiルーターが必要です。
非対応の古いルーターをそのまま使っているとIPoEで通信できず、速度が出ない原因になります。
OCN インターネットの1ギガでは、対応するWi-Fi 7ルーター(WSR3600BEまたはArcher BE5000)の無料レンタル特典が用意されています(別途申し込みが必要で、発送通知メール到達日から1年で返却不要となり所有権が移ります)。
なお、OCNのIPoEは1つのIPv4アドレスを複数の契約者で共有するため、特定のポート開放が必要な一部のゲームや自宅サーバー、遠隔接続用途では使えない場合があります。
1ギガのOCN インターネットはIPoEとPPPoEの両方に対応していますが、OCNを含む10ギガのプロバイダセットプラン(タイプA・タイプB)はIPoE方式のみの提供です(単独タイプには一部PPPoE対応プロバイダの例外があります)。
自宅内の接続環境|有線・Wi-Fiと機器の規格
Wi-Fi接続は、ルーターとの距離や壁・ドアなどの障害物、電子レンジやBluetooth機器との電波干渉によって速度が落ちやすくなります。
有線接続でも、1Gbpsの速度を出すにはCAT5eまたはCAT6以上のLANケーブルが必要で、パソコンやテレビのLANポートが「100BASE-TX」規格だと100Mbpsが上限です。
古いルーターや端末を使っていると機器側の性能で頭打ちになるため、同じパソコンを有線LANとWi-Fiに切り替えて測り比べるのが、原因の場所を特定する近道です。

かんた
こうめマンションの配線方式|VDSL・LAN配線は最大100Mbps
マンションやアパートでは、建物の共用部から各部屋までの配線方式によって速度の上限が決まります。
- 光配線方式:各部屋まで光ファイバーを引く方式で、最大1Gbps(10ギガ対応設備なら最大10Gbps)。ただし建物の品目によっては最大100Mbpsや下り最大200Mbpsの場合があります
- VDSL方式:各部屋まで電話線を使う方式で、NTT東西の該当品目は最大100Mbpsです
- LAN配線方式:各部屋までLANケーブルを使う方式で、NTT東西の該当品目は最大100Mbpsです
自宅のマンションの配線方式を調べる方法や注意点は、ドコモ光のマンションタイプの解説記事もあわせてご覧ください。
VDSL方式やLAN配線方式の建物では、契約するプロバイダや市販ルーターを高性能なものに変えても、建物の配線上限(最大100Mbps)を超える速度は出ません。
ドコモ光が遅いときに試したい5つの手順
速度が急に遅くなったときは、まずドコモや契約プロバイダの公式サイトで、通信障害やメンテナンスが起きていないかを確認します。
障害が起きていなければ、次の順番で自宅の環境を見直してみてください。
理科の実験と同じで、一度にいくつも設定を変えると何で速さが変わったのか分からなくなるため、同じ端末で1つずつ試すのがコツです。
- 同じ端末で有線とWi-Fiの速度を比べる
パソコンをLANケーブルでルーターにつないだときと、Wi-Fiでつないだときの速度を、同じ時間帯・同じ測定サイトで測って比較しましょう。
有線接続で十分な速度が出るなら、原因は回線側ではなく、Wi-Fiの電波やルーターの性能・置き場所にある可能性が高いと言えます。
- ONUとWi-Fiルーターを再起動する
機器を長時間使い続けて動作が不安定になっている場合は、次の順序で再起動すると改善することがあります。
- パソコンやスマホなどの通信をすべて終了する
- Wi-Fiルーターの電源プラグを抜く
- ONU(またはホームゲートウェイ・VDSL装置)の電源プラグを抜く
- しばらく置いてからONUの電源プラグを差し、ランプの点滅が落ち着くまで待つ
- Wi-Fiルーターの電源プラグを差し、ランプが安定したら端末から接続する
電源を切っている間はドコモ光電話も使えません。また、本体のリセットボタンは設定が初期化されてしまうため、押さないように注意してください。
- IPoE方式でつながっているか確認する
従来のPPPoE方式のまま通信していると、特に夜間に速度が落ちやすくなります。
OCN インターネットなら「OCNバーチャルコネクト」など、契約プロバイダのIPoE方式に対応したルーターを使っているか、ルーターの設定画面でIPoE接続が有効になっているかを確認します。
設定や接続状態が分からない場合は、ルーターを再起動して測り直したうえで、プロバイダのサポート窓口へ相談してみましょう。
- Wi-Fiの周波数帯とルーターの置き場所を見直す
5GHz帯は高速で電波干渉を受けにくい一方、壁や床などの障害物に弱く、離れた部屋には届きにくくなります。
2.4GHz帯は障害物に強いものの、電子レンジやBluetooth機器の影響で速度が落ちやすい電波です。
使う部屋によってつながりやすい方が変わるため、両方の周波数帯を試すとともに、ルーターは床や棚の奥を避けて見通しのよい場所へ移してみてください。
- LANケーブルと機器・端末の規格を確かめる
1Gbpsの回線ならCAT5eまたはCAT6のLANケーブルで十分で、CAT7やCAT8に替えてもそれだけで回線の速度が上がるわけではありません。
古いケーブルの劣化や、LANポートが100BASE-TX(最大100Mbps)の機器・古いWi-Fiルーターが間に挟まっていないかを確認してください。
機器ごとのランプ表示や故障時の対処手順は、各機器の取扱説明書やドコモ公式サポートの案内で確認できます。
かんた
こうめもっと速さが必要なら「ドコモ光 10ギガ」も選べる
家族で大きなデータを同時にやり取りすることが多い家庭なら、最大10Gbpsのドコモ光 10ギガも選べます。
数十GBあるゲームの大型アップデートを頻繁にダウンロードする人にも向いているプランです。
タイプAの2年定期契約なら月額基本料金は住居タイプを問わず6,380円で、1ギガ(タイプA・2年定期)との差額は戸建てで月660円、マンションで月1,980円となります。
かんた
こうめ10ギガを検討する際は、基本料金の差額だけでなく、提供エリアと機器の費用・規格もあわせて確認しておく必要があります。
- 提供エリアと建物設備の制限:10ギガはNTT東西の「フレッツ 光クロス」提供エリアが前提で、対応する市区町村内であっても住所や建物の設備によっては契約できません
- 10ギガ対応ルーターの費用:ドコモから10Gbps対応無線LANルーターをレンタルする場合は月額550円かかります(基本料金6,380円とあわせて月額6,930円)。また、OCN インターネットでは10ギガ向けルーターの無料レンタルはなく、優待価格での購入(BUFFALO WXR9300BE6Pが17,980円、WXR-11000XE12/Dが19,980円)となります
- 無線速度の上限と周辺機器の規格:ドコモがレンタルする10ギガ対応無線ルーターのWi-Fi速度は技術規格上で最大2.4Gbpsです。有線で10ギガの速さを活かすには、CAT6A以上のLANケーブルと、ルーター・パソコン双方に10GBASE-T対応のLANポートが必要です(優待購入のWXR9300BE6PはWANが10GbpsでもLANポートは1Gbps上限のため、有線パソコンまで10Gbpsでつなぐ場合はLANも10Gbps対応のWXR-11000XE12/Dなどを選びます)
また、回線を10ギガにしてもゲームのPing値が必ず下がるわけではなく、応答の速さはサーバーとの距離や混雑状況にも左右される点に注意しましょう。
10ギガが本当に必要か迷ったら、1ギガとの料金差や乗り換え時の制約をまとめた記事も参考にしてください。
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まとめ|ドコモ光が遅いときは接続方式と家の中から見直す
ドコモ光は、利用者の測定データの平均で見ると下り571.27Mbpsが出ており、4K動画やビデオ会議にも十分な速度を備えています。
プロバイダ別の平均速度ではOCNが下り680.34Mbpsで1位となっており、OCN インターネットの1ギガならIPoE対応のWi-Fi 7ルーターも無料でレンタルできます(別途申し込みが必要)。
ただ、速度低下の原因はPPPoE方式の混雑や自宅のWi-Fi、マンションの配線方式(VDSL・LAN配線は最大100Mbps)にあることもあるため、プロバイダを変更する前に自宅の環境を確かめるのが近道です。
同じパソコンを有線とWi-Fiでつなぎ比べて原因の場所を特定し、機器の再起動やIPoE接続の確認を試しても改善しなければ、プロバイダのサポート窓口へ相談してみてください。










